「スタンド・バイ・ミー」
霞む目に水晶のような光りを見 貴方のいない夢のあとさき
艶やかに透き通りており 生と死はアクアリウムの水槽のなか
「大丈夫?」軽い気遣い口にして張り無き胸のほつれ拡がる
「正社員の当て探しつつバイトする」 語れる友の瞳すがしく
「東京へ”帰る”といつより言いえるか」 幼友達ふりむきざまに
西日差す図書館二階のテーブルは私のものと密かに思う
飲み干せばなぜか誇らし アルコール7%のレモンチューハイ
終電に駆け込みよろめくつま先にひっかけているエデンの梢
ふるさとに帽子のごとくかぶさるる海に明るい木枯らしが吹く
ただいまと君の扉を叩くからいつの日にかスタンド・バイ・ミー
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